米国の大学における日本語日本文学の多くのBAプログラムには、文学 のクラスは、 文学専門の教授によって主に英語で授業が行われ、それまで学生の日本語の4技 能を 伸ばすことを目標としてきた日本語教育が断絶してしまっている問題がある。ま た、 日本語上級、および継承語のクラスにおいては、学生の批判的思考能力及び文化 リタ ラシーを高める努力が充分になされていないという問題も存在している。
このような問題を抱えてきた日本語日本文学のプログラムにおいて、2003 年と 2005年に、近代・現代文学のクラスを担当した私は、学生の日本語運用能力 を伸 ばすという目標を維持しながら、学生の批判的思考能力と文化リタラシーを高め るこ とを課題の一つとした。このコースを開発するにあたり、学習者の興味、創造性 を考 慮に入れて、テーマを決め、テキストを選択した。このクラスの主なテーマは、 「愛 するとは何か」で、学生は、愛国心、親子の愛、兄弟愛、自己愛、男女間の愛、 仏 教、基督教の愛など愛の諸相について分析し、解釈した。
学期末に、学生を対象に効果的な教室内活動などについて調査したが、その結果 は、 学生が、多様な文化圏出身のクラスメートと意見交換するプロセスを経て、日本 文化 および自国の文化の理解を深めつつ、批判的思考能力が高まり、日本語運用能力 も伸 びたと考えていることを示している。この発表では、読解を助けるための宿題、 教室 内活動、試験のサンプルと合わせて、サーベイの結果も報告したい。結論として 、こ のようなコンテント中心の日本文学のクラスにおける活動が、以上のような問題 解決 の糸口となることを示唆したいと思う。