Panel Title

Linguistics Panel: Repetition in Japanese native-native and native-nonnative/bilingual conversations

Paper Title

母語話者と非母語話者による語りの談話における節のくりかえしについて (Clausal self-repetition in native and non-native narrative discourse)

Author's Name, Institution and E-mail Address

Fumio Watanabe, Yamagata University, fumio@human.kj.yamagata-u.ac.jp

Abstract

本発表は,同一話者によって同一命題が隣接してくりかえされる現象を取り上げ,アニメーションのストーリーを説明する日本語母語話者による日本語の談話,韓国語母語話者による韓国語および日本語の談話において,その現象がどのように生じているか分析することを目的とする。日本語母語話者15名の談話,韓国語母語話者9名の談話を分析の対象とする。

本発表で取り上げるくりかえしとは,「…(凧の)糸が切れちゃったのね,んで切れたから…」のような,同一話者による節あるいは単文レベルの反復を指す。このタイプのくりかえしについて,Tannen(1979,1989)はことばを途切らせないための引き延ばしのメカニズムとし,熊谷(1997)も発話にかかる時間を増やす働きとして説明している。しかし,語りの談話においては,談話の中で有標性を持った出来事を焦点化するために一度統語的な境界を設けつつ,次の展開の背景として働かせるためにくりかえしが起こっていると言える。

日本語母語話者の談話では,因果関係にもとづいて展開する場面でこの現象が多く見られたが,韓国語の談話では登場人物の移動による場面の移り変わりで多く見られた。韓国語母語話者による日本語の談話では,9名中6名の談話に27回このくりかえしが生じていたが,個人差が大きかった。回数が少ない話者(4名,1〜3回)の場合は,くりかえされた出来事に母語の場合と同様の傾向が見られたのに対し,回数が多い話者(2名,12回と7回)の場合は,母語では例のない出来事がくりかえされており,引き延ばしのためのくりかえしという傾向が見られた。


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