本発表はアメリカの大学の初級イマージョンコースで試みた教室外の学習者間言語使用を促す一連の活動の実践報告である。最近の第二言語習得研究ではLave & Wenger (1991) の正統的周辺参加論が盛んに応用されている。この理論では学習者のコミュニティーへの参加過程が学習として捉えられており、この理論を用いた研究ではSL 環境における目標言語コミュニティーが焦点となっている(e.g., Norton, 2001; Toohey, 2000; Young & Miller, 2004)。しかし、FL環境では学習者間での言語使用の場合が多く、より現実的なのはむしろ学習者コミュニティーであると考えられる。そのため学習者コミュニティーを活性化し、参加を促すことはFL環境では重要である。我々は上記の状況を踏まえ、イマージョン環境の夏季集中日本語講座の初級レベルで様々な教室外活動を試みた。定期的にインタビュー、タスクベースの課題を与え、レベルを超えた学習者間の日本語使用を増やすよう努めた。また、最終プロジェクトとして、特定テーマに関しアンケートやインタビューによって収集したデータをポスターとしてまとめ、発表させた。準備過程、発表を通じ学習者間にインタラクティブな場を提供できたと言える。全ての活動で教師だけでなく他レベルの学習者にも参加を求め、コミュニティーの活性化を試みた。イマージョンプログラムは特殊な学習環境ではあるものの、これらの活動は通常の講座にも十分取り入れられるものである。発表では活動の詳細を始め、アンケートによる学習者の反応を紹介し今後の課題を考察する。さらに、他プログラムへの応用についても言及する。