Panel Title
Pedagogy Panel :日本語習得及びペダゴジーにおける多様性への考察:文化、習得、ペダゴジー、テクノロジー概念の再考 (Multiplicities
in Japanese language acquisition and pedagogy: Rethinking culture, pedagogy, acquisition,
and technology)
Paper Title
リテラシー:知識伝達から批判・創造能力の育成へ向けて (Literacy: Towards developing critical and creative
language practices)
Author's Name, Institution and E-mail Address
Yuri Kumagai, Smith College, ykumagai@email.smith.edu, & Andrakhanov Alexander,
Waseda University, sashand1@yahoo.co.jp
Abstract
「リテラシー」という概念は、ごく最近になって、日本語教育の理論、実践リポートなどでも、扱われるようになってきた。欧米諸国の学者を中心に研究、唱道されてきたリテラシーという教育理念は、単に技術としての読み書き能力をさすのではなく、テキストと批判的に関わり、ことばを読むことで世界を読み、また、発信することで積極的に社会に参加することを意味する。その根底にあるのは、従来の「教える」(教師が学習者へ知識を伝達する)ということや、「学ぶ」(学習者が与えられた情報を覚え、再生産できる)ということへの認識に対する問題意識、そして、批判的態度である。本発表では、リテラシーの概念を軸に、ふたつの異なった状況における実践、考察を紹介する。まず、東京国際大学での「メディア・リテラシー」の理論に基づいた日本語教育の実践を紹介する。東京国際大学では、学習者を、自ら考えることと他者とのコミュニケーションを通して、文化・社会をつくり変えていく主体であると捉え、批判性と創造性の育成を日本語教育の目標とした教育を行っている。その新しい試みにおける現時点での成果と問題点を発表する。次に、「クリティカルリテラシー」の視点から、米国の某女子大学の日本語教室における教師と学生間の相互行為の分析結果を報告する。分析を通して、テキストの描く均一化、固定化された日本語や日本人像に対しての学生からの問題提起、そして、それに対する教師の問題回避の過程を明らかにすることで、そういった「瞬間」を、クリティカルリテラシーを培うための学習機会として見直し、学生から提起された問題に教師が前向きに対応することの重要性を考察、示唆する。
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