Panel Title

JHL SIG Session: 継承日本語教育におけるチャレンジ:漢字学習、カリキュラムリフォーム、日本語能力に及ぼす親の影響、思考力を伸ばす内容重視の言語指導(Challenge in Japanese Heritage Education: Kanji learning, curriculum reform, parental influence in Japanese language development, and developing critical thinking using content-based instruction)

Paper Title

継承日本語大学生の漢字力分析 (An analysis of kanji ability of college JHL students)

Author's Name, Institution and E-mail Address

Masako Douglas, California State University, Long Beach, mdouglas@csulb.edu

Abstract

本発表は、日本語を継承語とする大学生59 人の漢字力を分析したものである。

漢字学習は、第一言語が漢字圏か非漢字圏かで学習の困難点が異なることは既存の研究で指摘され、異なる指導法が提唱されてきた(石田 1986, 1988; 海保・柏崎編 2002; 川口・加納・酒井編 1995)。また、漢字力測定については、従来の漢字・漢字語の読みと書 きを測るものとは別に、漢字・漢字語彙の処理力を形・音・義・用法などの面から分析的に測定する方法が提唱されている(加納 2007、加納他 1996)。本発表では、継承日本語大学生の漢字力を分析的に測定し、漢字力の特徴を次の観点から検証した結果を発表する:
(1)継承日本語話者の漢字力と、外国語として日本語を学ぶ漢字圏・非漢字圏学習者の漢字力との比較、(2)漢字力の各項目のレベル間での比較。

漢字力測定には漢字診断テスト(加納他 1996)を使用し、漢字力に応じて4 つのレベルに分け、各レベルの漢字力を反義語の意味理解、語構成、字単位の読みなど12 項目に分けて測定、分析をした。

その結果、継承日本語話者の漢字力では、熟語を書く力が全レベルに共通して得点が低いことがわかった。これは、非漢字圏学習者の特徴(加納 2007)と共通する。また、ANOVAを用いて各項目の数値をレベル間で比較した結果、各レベル間に有意の差が認められる項目、上位2レベルと下位2 レベルの間に有意差がある項目、上位2レベルに有意差がある項目、 また有意差が無く4レベルとも数値が高いものがあることがわかった(いずれもp=.001 のレベル)。この結果を基に、漢字習得の項目別難易度を考慮しながらの漢字指導を提唱する。(698 字)

参考文献
石田敏子 1986 「英語、日本語、韓国語圏別日本語学力の分析」日本語教育,58, 162164.
石田敏子 1988 『日本語教授法』大修館書店
海保博之・柏崎秀子編 2002 『日本語教育のための心理学』新曜社
加納千恵子 2007 漢字処理能力診断テストに基づく漢字の指導法。International Conference on Japanese Language Education, New York, 2007 発表
加納千恵子・清水百合・竹中弘子・石井理恵子・阿久津智 1996 『漢字1000Plus Intermediate Kanji Book vol.1』凡人社
川口儀一・加納千恵子・酒井順子編著 1995 『漢字指導アイデアブック』創拓社


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