Heritage SIG: Panel
継承日本語教育におけるマルチエイジ/マルチレベルカリキュラム
(Multiage/multilevel Curricula in Japanese Heritage Language Education)
インターナショナルスクールの中学高校の継承語クラスカリキュラムを、先の大 山の民族学的分析に対して、カリキュラムの内容と生徒中心の授業の観点から論 じる。
現在日本語教育は、文法文型積み上げと教師中心授業からの、脱却を模索してい る。本発表もその影響を受けて新しい試みを提示したい。
当インターナショナルスクールの特に文学言語理解学習では従来の国語教育で扱 われている作家および作品論的な読みからテキスト論的な読みへの移行を新しい アプローチの課題としている。本発表では、伝統的なアプローチとは異なるカリ キュラムの導入に関し、その誕生時から現在までの課題や問題に焦点をあてる。 特に継承語話者である学習者への「読み」の教育に焦点を絞り、生徒中心の授業 形式(グループディスカッション、グループプレゼンテーション、口頭個人発表 、ロールプレー発表、ディベート等)をいかに用いて、文学概念(言説と読み手 の関係、語り手の言説空間と物語空間の表現、語用論的相互作用や、テキストの 「明白」部と「呼びかけ構造」)を習得し、さらに学習者がいかに新たな読みの 可能性というダイナミズムを獲得していくかというプロセスの実践報告をする。
具体的なプログラム作りという観点から、模索の過程を以下のような読みと発表( 書きも含む)を考察する。「5W1H中にテキストの読みを簡素化し、読み手と書 き手のコードのなかの文構造を意識化させる、発表に向けての情報の収集、主題 の収斂化やアウトラインの創造、文の推敲、記憶の強化、観衆との関係、演技の 必要性」などを学習者の自立の内発的、自省的、自助的なオートノミーの活動を 具体的に考察する。