Heritage SIG: Panel
継承日本語教育におけるマルチエイジ/マルチレベルカリキュラム
(Multiage/multilevel Curricula in Japanese Heritage Language Education)
既存の研究では、継承語教育の難しさの一つとして 学習者のバックグラウンドの違いによる日本語レベルの差が上げられている。当 発表で扱う国連国際学校(UNIS)の中学高校の継承語クラスも日本語のレベ ルの違い、8年生から12年生までという学年の違い、少ないケースだが日本の 学校に8年間通ったルーマニア人や6年間通った中国人という母語は日本語では ないが、外国語でもないなどの多様性を持った学習者で構成されている。
当発表は、学習者が持ちこむ、日本語レベル、年齢、文化的なバックグラウ ンドの多様性を、プラスの要素として捕らえ、これを生かすクラス環境作りを論 じる。特に、コーオペレーティブラーニング(グループ)をアプローチとして用 いて、この多様性を最大限に活用するための、「3ステージ・ティーチングシス テム」の内容の紹介、及び、多様性がダイナミズムを生むためのクラスの環境作 りの詳細を取り扱う。
「3ステージ・ティーチングシステム」は基礎、発展、総合からなり、基礎では マルチエイジ全員を同じ土俵に乗せるための準備で、教師の質問等により進めら れる。発展からは、学生主導でグループごとにリサーチに基づいたプレゼンテー ション、ディスカッション、ディベートが行われる。総合ではまとめとして各自 論文を書き、学生主導の演劇が行われる。グループ活動によるマルチレベルだか らこそ起こるダイナミズムの中で学生達の日本語での論理的でより深く、又クリ ティカルな思考をお互いに育てていく過程を通して「3ステージ・テーチングシ ステム」を考察する。