Paper Title

学習者言語における緩和表現の発達について
(Development of Mitigations in Second Language Japanese)

Author's Name, E-mail Address and Institution

Naomi Geyer, nfgeyer@wisc.edu, University of Wisconsin-Madison

Abstract

学習者言語における語用的発達に関する研究が増えてきている 中で、ある特定の語用的言語要素(例えば「ね」等のディスコー ス・マーカー)や言語行為(「誉め」「依頼」等)に焦点を絞っ た研究は、学習者の発達を文法語彙能力以外の面からみるという 点で、かつ文法能力と語用的発達の関係を捉える上でも重要なも のである。

これら先行研究の中で、言語行為の力を緩和する要素(モダリ ティー等)はしばしば取り上げられている。しかし、その中であ まり問題にされてこなかったのが、学習者言語の中に表れる比較 的長い(語句レベルを超えた)緩和セグメントである。(例え ば、意見文の中で、自分が誇張していることを認める「こんなこ と言ったら言い過ぎかもしれないけど」等。)このようなセグメ ントは学習者の語用能力と文法能力の関わりのみならず、語用能 力と談話能力の関係を探って行く上で重要になってくると思われ る。

今回の研究では、四つのレベルの口頭試験(各レベル十二人ず つ)における日本語学習者の発話を分析し、前述のような緩和セ グメントが それぞれのレベルでどんな形で表出しているかを談 話分析の観点から比較検討することにより、学習者の語用的発達 について考えていきたい。分析の結果、初・中級の学習者が学習 者独自の緩和ストラテジーを使用していること、中級の一部と上 級学習者の発話には複数の接続詞、接続助詞の使い分けが見られ ること、そして、超級話者はそれに加えてインフォメーションの 提示に強弱をつけるような談話マーカーを使用していることなど が明らかになった。

本稿ではこのような調査結果が 色々なレベルの日本語教育に どのように応用できるかについても考えたい。


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