上級日本語の授業では一般的に読解教育が重視される傾向があ り、生教材も読解や聴解などに利用されることが多い。しかし、最 近の研究では上級になっても多くの学生が会話としての適切な発話 を見極められないことが分かっており (Cook 2001)、自然な会話 の仕方を明確に教える必要性が主張されている (Yoshimi 2001; Bardovi-Harlig 2000など)。
従って、今回のプロジェクトではディスカッションに焦点を当 て、ビデオの生教材を使った会話指導を上級のクラスで行った。こ のレベルの授業では読み物の他、ドキュメンタリー、ドラマなど文 化的な題材を多用するが、これらで扱われたトピックについて、日 本人にディスカッションをしてもらい、ディスカッション指導の教 材の一部として使用した。同時に、同じ話題について、学生同士に もディスカッションをさせ、日本人のディスカッションと自分達の ディスカッションの仕方の対比を、ビデオとトランスクリプトの分 析を通して行い、日本語らしいディスカッションの特徴、よく使わ れる表現、あいづち、ターンの取り方などについて指導をし、ロー ルプレイ、シナリオづくり、会話の校正作業等を行った。 今回の発表では実際のディスカッション指導の手順や教材、又学 習者の反応などを紹介し、効果的と認められた点、今後の課題など について言及する。