中西部の場合、ハワイや西部に比べ極端に継承語のための日本語学校が少ない。特に、ミシガン州デトロイト市近郊を例にあげれば、そこに住む短期滞在の日本人子弟の数は、長期滞在や日系の子弟の数に比べるとはるかに多いことが分かる。では、日本語を継承語として学ばせたいと願う家庭に、一体どのような教育的支援が可能なのであろうか。本研究では、このような問いに応えるため、日本語を継承語として学びたい・学ばせたいと思っている家庭を対象に、学習者の能力や目的、また学習環境にあわせ、学習者主導型の個人別日本語教育支援システムを構築するものである。特に対象者を言語形成期前半を過ぎた、すなわち片方の強い言語の話す能力の確立および読み書きの基礎ができ、読解力や分析力もついてきている10歳前後の時期に定め、バイリンガル教育で指示されているカミンズの言語相互依存説にもとづき、両言語の会話力を高めるとともに、認知面(特に弱い言語の認知面)も徐々にではあるが、補強して行くと言う方法をとるものである。今回の発表では、オンライン教材を利用し、学習者にあった継承語教育のあり方を探ると共に、会話力のみならず子供の読み書き能力をどのように伸ばすことができるかをケーススタディの形で考察するものである。