Panel Title

継承語学習者のバイリンガル言語能力測定のためのツール検証

Paper Title

OBCを使用した韓国語・日本語の二言語環境にいる韓国人児童の二言 語能力 −母語保持・発達を中心に−

Author's Name, Institution and E-mail Address

Joo, Hyun-Sook, Graduate School of Ochanomizu University, hsjoo00@hotmail.com

Abstract

本研究では、日本に滞在する外国人子どもを、日本語 (L2)だけでなく彼らの継承語(L1)も同時に保持・育成し、両言語に堪能であるバ イリンガルに育てる、という視点に立ち、韓国語・日本語の二言語併用環境にいる韓国人 児童のL2とL1の実態、そしてL1の保持・育成のための方法について調査を行なっ た。その際、彼らの言語能力に影響する要因として滞在期間・入国年齢・母語保持努力の 三つを取り上げ、その中でもっとも影響を及ぼす要因を明らかにすることを本研究の目的 とした。

調査対象は東京都内の公立小学校に通う、韓国語を母語とする児童27名とその親14名 である。二言語能力を調べるため、言語別にOBC会話テストを行なった。また子どもの基 本的属性、子どもが置かれている環境、どのような母語保持努力をしているかなどを調べ るため、親に質問紙調査を行なった。

  その結果、1)韓国語が日本語より低く、特に認知的会話力においてL1が著しく低いこと、2)日本語の日常的会話力より、認知的会話力の方が習得に時間がかかること、3)韓国語の日常的会話力と認知的会話力が保持できる入国年齢が異なり、また喪失の速度も異なること、4)日本語と韓国語の間で、特に認知的会話力において相互依存関係が見られること、5)入国年齢・滞在期間より保持努力が継承語保持にもっとも影響しており、滞在期間・入国年齢により蒙ることになるL1の喪失または未発達を、保持努力をすることにより克服できること、6)保育園や幼稚園入園後も親子ともにL1を使用し続ける、入学前にL1の文字教育を終える、L1で教科学習をすることがL1の保持・発達にもっとも重要であることが示された。


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