このパネルは、読技能教育、話技能教育、技能別教育という3つ の観点から、大学2校の上級日本語コースで実践された幾つかの試 みとTA指導の例を紹介する。
発表1では、上級読解力の促進に特に必要な技能・項目を取り上 げ、言語習得研究の結果に根ざした教育法を採択した授業の報告を する。例えば、語彙、特に漢語の認知力を伸ばす為の練習活動、構 造が複雑な長文の分析の仕方、文章構造スキーマ・既知知識スキー マの効果的な使い方と読み教材の選択方法等である。発表2では、 ディスカッションに焦点を当てた上級会話コースについて説明す る。この授業では、ビデオとそのトランスクリプトの分析を通し て、ネイティブのディスカッションの仕方と学生同士のとを対比 し、日本語らしいディスカッションの特徴、よく使われる表現、あ いづち、ターンの取り方などについて指導した。実際の指導の手順 や教材、また学習者の反応、効果的と認められた点、今後の課題な どについて具体的に述べる。発表3では、話し言葉と書き言葉を 別々に教えた4年コースの報告をする。教材(話し言葉用は主にテ レビドラマ、書き言葉用は新聞・ウエブページ記事、関連テレビ ニュースなど)、授業内容、及び学期末に受講者対象に実施したア ンケート調査の結果を報告する。発表4では、上級日本語コース担 当のTAの為に行なった教育法指導の内容、方法、期間、頻度な ど、また現場での諸問題について説明し、上級日本語教育で重要な 技能や知識の分析をする。
なお、各発表は20分に限り、その後の約20分間は質問を受け たり上級日本語の教育法について聴衆と意見を交換する。