近年のテクノロジーと言語教育の発達に伴い、コンコーダンスを 使って用例を提示することによる文章表現力の向上が指摘されて おり、日本語においても、学習者向けにオンラインの新聞等を 使ってのコーパス作りと、コンコーダンサーの開発がなされはじ めている(澤谷・仁科・赤堀、2002他)。しかし、用例に使われ るテキストの難易度がどうしても高くなるため、今まで開発され ている支援システムは上級者対象のもので、それよりレベルの低 い学習者には使えないものとなっている。日本以外の諸外国で学 習する者の大半は初級から中級のレベルであり、コンコーダン サーが開発されても、実際には学習者の大半はその恩恵を受ける 機会に恵まれないことになる。そこで本研究では、中級学習者が 使用可能な用例を中心にコーパスを作成し、中級学習者が文章構 築の過程で用例が引き出せるようなコンコーダンサーを開発し た。用例は、オンラインにある生教材(主に難易度の低い新聞記 事)をできるだけ使い、初級者向けの教科書(「なかま」1、2 を使用)の例文も補助的に入れた。用例の語彙の難易度は、川村 氏らが開発したオンラインの難易度判定ツールを利用し、やさし いレベルと判定されたものを中心に集めた。また、実際にアメリ カで日本語を学んでいる中級学習者を使って、文章表現力の習得 効果を用例ツールを使用した場合と使用しなかった場合とで比較 しながら報告する。
参考文献
澤谷・仁科・赤堀 (2002). "日本語学習者のためのWeb-
concordancer の開発と評価" 第3回「日本語教育とコンピュー
タ」国際会議.75-78.