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「さ」と「よ」の機能と性差

Author's Name, Institution and E-mail Address

Yoko Collier-Sanuki, Univ. of Alaska Fairbanks, yoko.collier@uaf.edu
Shino Takahashi, Univ. of British Columbia, shino@interchange.ubc.ca

Abstract

がうばわれたんだってよ。  (男女)

さらに、「さ」や「よ」が以下の様に語調を整える間投詞として用いられた場合は、それ らの性差は逆転する。

(4a) 昨日映画を見に行ったらさ、雷で急に停電しちゃってさ、ひどい目に遭ったんだ。
(「日本語文法辞典【中級編】) (男女)
(4b) 昨日映画を見に行ったらよ、雷で急に停電しちゃってよ、ひどい目に遭ったんだ。
(男)
これらの使用法を纏めたのが、以下の表である。

例文 1 2 3 4
(a) さ 男 男 男女 男女
(b) よ 男女 女 男女 男

「さ」の機能について、宮崎他(2002)は永野(1951)と同様に、「話し手が責任をもって断 定せず、当然のこととして、あるいはとりあえずのこととして提示することを表す」と定 義している一方、陳(1987)は「話し手が確認、確信していることを聞き手に説明する」と し、中野(1995)は「話し手から聞き手へ向けて差し出していく強さを表す」としており、 その分析にも見解の不一致が見られる。本稿では、江戸語では「さ」は丁寧な会話にも使 われていたとする長崎(1993)の考察や、北海道や静岡県沼津地方の方言において、「さ」 が「外は寒かったさ」のように、「よ」の代わりに用いられることに基づいて、「さ」と 「よ」の機能と性差の揺れを説明する。


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