本研究では、日本語母国語話者10人、ACTFL Oral Proficiency Guideline を基にしたSuperior Levelの日本語学習者10人、Advanced10人Intermediate10人の 発話の中のfiller wordsに着目、比較を試みた。。各話者の発話中の始めの500の文節 に注目し、どのようなfiller wordsがどのような頻度で用いられているかを調べた結果、 「あの」「ええと」「その」「この」「そうですね」「うん」「これ」「ほら」「やっぱ り」「だから」「ていうか」「うんと」「なんか」「まあ」「こう」「(前の節の終わり の母音を伸ばす)」という16種類が確認された。
母国語話者/学習者別に分析をすると、学習者は圧倒的に「あの」と「ええと」を多用 することがわかった。母国語話者の2倍以上の頻度であるため、明らかに使われすぎてい るfillerである。これは、数ある日本語の教科書の中で扱われているfillerは、この二つ だけであることにも原因はあると考えられる。それに対して、母国語話者の発話にはよく みられる「この」「その」などは、学習者にはほとんど使われていない。Speech softener的な働きを持つ「なんか」「まあ」等は、レベルが母国語話者に近づくにつれて 使用頻度も近づく傾向にあるが、頻度を比べた場合、Superiorの使用においても母国語話 者の3分の1以下である。また、「ていうか」「やっぱり」「だから」などは、母国語話 者の中間的な頻度に対して、学習者間の使用はゼロに近かった。これは、これらのfiller が本来は意味を持っているが、「意味のない」fillerとして使われるために、学習者が体 得できにくいものであるからだと考えられる。
Fillerを使うことを奨励する必要はないと思われるが、この結果は、使用し過ぎの fillerのcorrection、様々なfillerの紹介の必要を示唆していると思われる。なお、今後 の研究課題として、より多くの話者からのデータ収集、また性別、年齢別の分析などが挙 げられよう。