2001 ATJ Seminar
Thursday, March 22, 2001, Sheraton Hotel, Chicago, Illinois
Seminar E: Pedagogy: Teaching Japanese in the Internet Era
インターネット時代に対応した新しい日本語教育
I. インターネット時代に対応した四技能の育成と教師支援
(Teacher Support and Four Skills Development with the Internet)
尾本康裕、カリフォルニア大学バークレー校
Yasuhiro Omoto, University of California, Berkeley
yomoto@nihongoweb.com
http://www.nihongoweb.com
発表サイト
インターネットは、我々の日常生活のみならず教育の場にも浸透し、大学でも遠隔教育による学位取得が可能となっている。コンピューター技能の教育がより早い段階で取り入れられている現在、このような環境で学んだ学習者にインターネットを介した学習がより効果的になっていくのは確実であろうと思われる。今回は、このようなインターネット時代に対応した四技能の育成について述べ、それと同時に四技能の育成をいかにするかということについて解説している教師支援のサイトについて触れたいと思う。
今更言うまでもないが、インターネットでは、文字だけではなく、音声、映像を伝達出来、言語の四技能全てに於て学習者と双方向的な伝達が可能であり、恰も教師と一対一で学んでいるような状況を作り上げることが出来るので、言語教育に向いていると考えられる。そこで、ここでは便宜的にインターネットの活用を(1)オンラインと教室を繋ぐ教室活動、(2)教室での学習を補助するオンライン上の教材、(3)そして完全なオンラインによる遠隔教育の三つに分け、特に(1)と(2)のケースについて話したいと思う。
インターネットの活用は、単にオンライン上の教材などに留まらず教室活動にインターネットを取り入れることによっても可能である。例えば、学生にインターネット上の新聞で好きな記事を選ばせ、それについての要約や自分の考えを書かせた後、教室で発表させる。そしてその後、更に発表内容などに対する質疑応答を教室で行う。これらの活動を通じ、読む、書く、聞く、話すという全ての四技能の効果的な育成が可能になる。 この新聞の記事を選ばせるというようなプロジェクトを、もっと下の学年でも行いたい場合は、学習者に自分が良く利用するインターネットのサイトについて書かせる、又は、自分が良く日本語学習に使用するサイトについて書かせるなどのプロジェクトをすることによっても達成出来よう。これをもう一歩進めて学習者主体の文集作成や新聞作成などをさせ、それを教室内で発表させ議論することによっても四技能を伸ばすことは可能であろう。これらの教室活動を行う際に気をつけなければならないのは、これを実際のカリキュラムにどのように組み入れるかという点である。要約、感想などを学習者に書かせる際、既修の文法を使って書かせるなどの配慮はもちろんのこと、いかに教師側が評価するという点も大きな問題になると思われる。又、これらの作業過程において、著作権については常に考えておくことが必要である。これらの教室活動のアイディアは後述する教師支援サイトであるNihongoWebに詳しく書いてあるのでそれを参照していただきたい。インターネットの活用と聞いて、コンピュータの知識などが必要だからという理由で難しいと思わなくてもインターネットを活用しながら四技能を伸ばすことが出来ることが、お分かりいただけたと思う。これらの活動を通じて、四技能だけではなくもう一つの技能とも言うべき文化理解についてもこの活動を通じて達成することも出来るのではないだろうか。
オンライン上の教材を利用するに於て、ここでは便宜的に二つに分けて考えたい。それは、(1)もう誰かが日本語教育のために作った既存のサイトを活用しながらそれを自分の教育機関での実際の教育に組み入れていく(2)自分が実際に作成するオンライン教材を学習者に使ってもらう、という二つの方法である。
前者についてはこのパネルでも発表される川村氏、三輪氏からも詳しい発表があり、又、日本語教育に利用できるような数多のサイトがインターネット上には存在するのでここでは詳しくは触れない。そのようなサイトへのリンクが、多数張ってあるシュナイダー・恵子氏によるブックマークを参照していただければと思う。
さて、もし自分でオンライン教材を開発したいと思っても周りにサポートしてくれるコンピュータ関係の技術者がいないということも考えられる。そこで、どのように効果的なオンライン教材を作成するかを解説した教師支援のサイトが非常に役に立つのではないかと考えられる。
NihongoWebは1998年に教師、学習者支援の目的で設立され(1)日本語とコンピュータについての情報(2)600枚以上の著作権に抵触しない日本の写真、およそ100枚のビジュアルエイド、そしてオリジナルの読解教材(3)インターネットを活用した教育に関するアイディア集オンライン教材の作り方という3つの大きな内容により構成されている。その他には、平仮名、カタカナ、漢字の書き順と音声ファイル、オンラインのことわざ辞典、外来語辞典、そして学習者のためのオンライン教材などが置いてある。NihongoWebは現在、日におよそ40から50人の教育者、学習者が訪れている。
特に日本語教育に役立つどのような内容として、(1)日本語とコンピュータ情報では、いかにコンピュータに日本語をインストールするか、又、フォントを埋め込んだ書類を作成し、日本語化されていないコンピュータで書類を読めるようにするか、などの情報が画像とともに提示されている。又、日本語オンライン教材開発に必要なシェアウェア、フリーウェアの情報、その使い方なども画像付きで提示されている。
(2)NihongoWebに掲示されている600枚以上の写真、100枚のビジュアルエイドは、教育目的で使用し利益を目的とした再配付などをしない限り著作権を考えずに使用することが出来る。そのため、教室活動としてのプロジェクトや学生のウェブサイトで写真などを使用することが出来る。画像はウェブで表示することを目的として圧縮してあるので、ウェブでのプロジェクト活動にすぐに素材を活かすことが出来る。
(3)インターネットを活用するためのアイデア集としては、フリーウェアを使用したウェブサイトの制作方法、学生主体の新聞制作、電子メール、ニュースネット、掲示板、
チャットをどのように日本語教育に活用するかなどが解説されている。
このウェブリングは、特に教材開発を独自で行うことが難しいという教育機関にいる教育者、そして、著作権を心配することなく使用できる教材、素材が欲しいという教育者のために教材などを配付するのみならず、教材を共有することで教育者、学習者を支援する大きなコミュニティを作ることが出来たらいい、という考えの基に設立された。この教師支援のコミュニティは、現在、K12にまで拡大しつつある日本語教育のインターネットでの運用と、教材開発支援、共有を目的としている。具体的には、(1)日本語環境でのインターネットの問題点、解決法などの情報の提供、(2)インターネット教材の開発法、教師が開発した著作権に抵触しない読解教材、教案、アイデアの提供、その共有、が目的となっている。そして教師がこのコミュニティを通じ、自分でインターネットでの教材開発が出来、更に受け手からウェッブリングのパートナーとしての送り手になる、ということを目指している。
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Richards, Cameron (2000) "Hypermedia, Internet Communication, and the Challenge of Redefining Literacy in the Electric Age", Language Learning & Technology Vol. 4, No. 2, September, pp. 59-77
Schneider, Keiko (2000) "Integrating internet/WWW: Using and creating materials on-line", in Kikuchi ed. Proceedings of the Fifteenth Annual Conference of the Southeast Association of Teachers of Japanese [On-line] Available: http://www.sabotenweb.com/conference/SEATJ2000/integrating.html
Stoll, Clifford (1999). High-Tech Heretic. New York: Anchor
Yasuhiro Omoto (2001) "Sharing materials through online community: The case of NihongoWeb" Proceedings of the Sixth Annual Teaching in the Community Colleges Online Conference [On-line] Available: http://leahi.kcc.hawaii.edu/org/tcon2001/
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